2018.04.16
A-01. オーバーに言われるのは間違いです。「長くて細いものは折れやすい」程度の認識は必要ですが、猟犬の歴史を持つイタグレのボディーは非常に丈夫です。ただし、足が速く、ジャンプ力も強いので、室内に危険なものを設置しない事が重要です。例えば、格子状のサークルから出ようとジャンプし、細くて長い足が隙間に挟まる。椅子やベッドから飛び下りた時、オーナー様の不注意で置いてしまった障害物につまずき転倒する。といったことは「人災」ともいえます。活動的なイタグレの動きを観察し、事故が起きないよう周囲を改善すれば事故は起こらないはずです。
A-02. この噂の出どころを追ってみると、イタグレを販売した経験のないペットショップが大多数で、何の根拠もない話です。多くのイタグレオーナーの方は、最初に感じた印象とは裏腹の丈夫さに驚いていますし、イタグレの穏やかな性格に大変満足している様子です。ただし、オーナーとイタグレとの最適な関係は、イタグレの性質をよく理解して暮らす事が大前提となります。私たちDOXは「イタグレは大きな高性能エンジンと、超軽量ボディーを持ったスーパーカー」という表現をします。スーパーカーは渋滞の中をノロノロ走るのが苦手です。たまにはドライブに出て思いっきり走らせたいものです。また、それが目的のはず。イタグレのスタイルをご覧になれば一目瞭然ですが、速く走るために熟成されたボディースタイルの維持は、適度にハードな運動量によって形成され、穏やかで落ち着いた性格も充分な体力の発散によって育まれます。イタグレと上手に付き合うには、オーナーの方が、イタグレとの散歩をひとつのスポーツと捕らえて頂く事が早道だと思います。ただし、大型犬の運動量とは異なり、イタグレのコンパクトなサイズに適した充分な運動量は、オーナーにとって決してハード過ぎるものではありません。
A-03. 雪が振った時の古い唄に「犬は喜び庭かけまわり、猫はコタツで丸くなる」というフレーズがありますが、これは厳しい寒さに強い日本犬を表現したものだと思います。イタグレはエジプトを原産とするイタリアの犬種で、日本の真冬に屋外で飼育するのは困難です。一年を通し、人が暮らす室温で充分です。留守の時は毛布などに入り込んでいますが、小さなペットヒーターがあれば完璧で低コストです。
A-04. 仲間と遊ぶとき以外はほとんど吠えません。寂しくて吠えたり、人に向かって吠える事もほとんどありません。イタグレはサイトハウンド(視覚型猟犬)ですから、獲物に対して吠える事や匂いを発散させる事は厳禁だったためだと伝えられています。よって、静かさを要求される都会のマンションやアパートではベストな犬種といえます。ただし、生活環境によって吠え癖が身につく場合があるので早めにご相談ください。
A-05. どんな犬種でも、母犬や兄弟から離された不安があります。早い子で3ヶ月、遅い子でも半年は長時間の留守番は難しいと思います。また、個犬の頃のフードは1日3~4回ですから、現実的に無理があり、半日以上の留守はしない方がよいでしょう。ただし、自由に遊べる広いスペースと、充分に足りた運動量で落ち着いた子なら子犬の頃から一人で留守番しています。これには若干のトレーニングセンスが必要で、5分・10分・30分・1時間と留守の時間を増やしていき、やがて半日・1日とトレーニングします。コツは、オーナーが出先から戻ったとき、必要以上おおげさに喜ばない事です。犬はその喜びを期待し、我慢し、主人の帰りだけを待ちわびてしまいます。すると、落ち着いて留守番したり一人遊びが出来なくなります。留守から戻ったときに飛びついて喜ぶイタグレに対して抱き上げるような事はせず「○○ちゃん、ただいま」程度で頭を軽くなで穏やかに接してください。イタグレが落ち着いてから充分に遊んであげてください。
A-06. 具体的な散歩の距離や時間をご説明する前に、「何故、散歩が必要なのか」を考えたいと思います。犬は、私たち人間よりはるかに体力があり、聴覚や嗅覚に優れています。その体力や機能を適度に使って発散させないと、やがてストレスとなって数々の問題行動を起こす原因になります。自由に遊べる広いスペースや、誰かが必ずそばにいる環境のイタグレがいたとします。もう一方にはケイジやサークルなどの中や、長時間一人で過ごさなくてはならないイタグレがいます。この2頭の生活環境は大きく異なり、散歩に要する量や時間も大きく異なります。 ちなみにDOXのイタグレ達は店内を自由に歩き回りストレスが溜りません。加えて、多くの人や訪れる他の犬に接触して社会性を養っています。だから、気がついたら1週間も散歩に出ていなかった、ということもあります。さすがに1週間ともなるとストレスが溜まりますので、ドッグランに連れて行き、充分に遊ばせています。オーナーの体調や気分、悪天候による外出不足を気に病む必要はないと思いますが、噛んでストレスを発散する玩具や、喰わえやすいボールの選択など、考えられるストレス解消の対策はたくさんあります。
A-07. 他の多くの犬種に比べると非常に丈夫だといえます。短足胴長の犬種はヘルニアなどになりやすく、完全に垂れ下がった耳を持つ犬種は耳の病気になりやすく、長毛の犬種はノミやダニが付着しやすくなります。注意すべき事項はフィラリア感染症です。被毛が短く蚊に刺されやすいため、春から秋にかけての予防は欠かせません。仮に病気や怪我に出会っても、動物病院は体重によって費用が決められていて、イタグレは最も体重の軽い部類に属しますから低コストであると言えます。
A-08. 人工的な防腐剤や酸化防止剤を使わない、比較的カロリーの低い良質なドッグフードを与えます。DOXでは月齢や体格、体重などから割り出したドッグフードを販売しています。DOXのドッグフードは安全第一。ホームセンターなどで購入できる「味が濃くて美味しいドッグフード」に慣れさせないよう注意してください。良質で安全なフードを食べなくなるばかりか、内臓疾患や毛艶の悪さにつながる恐れがあります。
イタグレは一度に大量の水を飲みません。水道水で結構ですから、常に新鮮な飲み水を用意してください。良質なドッグフードは総合栄養食であり、他の食物を与える必要は全くありませんが、どうしても、という場合は鳥のささ身や野菜を水煮して与えても害はありません。人の飲む牛乳は厳禁です。
A-09. ほとんど必要ありません。よく絞ったタオルで拭く程度で充分ですが、被毛が短く乾きが早いので、DOXのメンバーは2~3週間に1度シャンプーしているようです。イタグレは極めて抜け毛が少なく体臭もありません。汚れも簡単に拭き取れるので、逆に不潔になりがちなイタグレを多く見受けます。すると、汚れが原因の湿疹ができる事があり、ストレスの原因にもなります。部屋のエアコンで乾燥が強い場合は、シャンプー後に極めて少量のベビーオイルを被毛表面に塗布したり、加湿器などを使用するのも効果的です。
A-10. ドッグショー等に参戦しないならば、小柄であっても大柄であっても問題ありません。まして血統のしっかりしたDOXの子犬であれば良い子に育つ事は約束されています。正しいショップや正しいブリーダーの子犬ならば、あとは運動量とオーナー様のしつけ次第です。